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蛇と龍のあいだ

池田には、蛇と龍のあいだの「じゃ」がいる。

 

そう教えてくれたのは、藪田に住むおじいさん。

 

藪田とは、集落の名前で

役場やまちの駅がある町の中心地に隣接した集落です。

 

 

数週間前の土曜日、藪田に住むおじいさんに

藪田の山のことを教えて頂く山歩き会をしました。

主な目的は、地境についてわかるため。

 

これまでの記事に登場してて、私(まりこ)が手伝いで関わってるうみのいえは、山を持っています。

その山が!一体どこにあって、どこからどこまでが自分らの山なのか、わからんのです!

 

知らぬ間に、他人の山にずかずか入って勝手に何かを取ってしまってはトラブルになるし...(山菜でよく聞く話ですね)

自分らの山がどんな植生で、どんな活用が可能なのか?ということもわからないままでは...

という経緯で、山歩きの会が設定されたのであります。

 

今回は、藪田の山を舞台に起こった2時間ちょっとの出来事をお届けしようと思います。

 

 

これは、葛

葛の写真

「ここはずーっと奥まで田んぼだった」

「ここらへんは誰々の山で、あの竹林があるところは誰々の...」

 

「あっ、これ葛」

「葛もちとかですか?」

「そうそう!」

 

ふとおじいさんがもしゃもしゃの地面からひょいと拾いあげた長い植物。葛だそう。

 

「葛の根っこを叩いてでんぷんを出して使うんや〜、葛根湯もそれ」と。

 

これを聞いて私はびっくりぽんでした!!

 

そもそも葛という植物を知らなかったし

根っこを使うのも知らなかったし

葛もちとか葛湯とか葛根湯が

共通の植物からできてるなんて思ってなかったです(漢字を見ると明らかですね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの杉を植えたのを覚えてますよ

おじいさんが少し遠くの杉を指差して

「あれは子どもの時、植えた杉」と、教えてくれました。

指の先には、立派に伸びた杉たちが。

 

大きな木を見て、自分の子どもの頃の記憶が蘇る。

そんな経験があるわけない若造(私)には、重厚な言葉でした。

同時に、ぶるっと震えるような感動も...

 

逆に、ここに杉があったけど、今はないという話もありまして。

その山の所有者がお金に困って、小遣い稼ぎのために切ったんだとか。

 

数十年という時間をかけて、様々な理由から山は姿を変えてきたんだな〜と。

おじいさんの話から、そんな姿が垣間見えました。

 

 

 

葉っぱは、裏側を使う

葉っぱとおじいさん
笹の葉っぱの裏側をなでるおじいさん

人によっては、んなもん当たり前だ!と思うかもしれませんが...

私は初めて知りました!

基本的に、葉っぱは裏側を使うということを!

 

「表は雨やらほこりやらかぶるでしょう。裏側には殺菌作用があるんでね、笹の葉寿司も裏側で包みますよ」

 

ほう!!!!

 

「葉っぱはなんでも裏側や、ほうばの葉やら柿の葉やら」

 

ほうほう!!!!

 

 

 

今まで表も裏も意識してなかったので、びっくりぽんその2でした

 

 

金色の蛇がおった

背丈と同じくらいの草の中をズンズン行く写真

背丈と同じくらい伸びた草藪の中をずんずん進み...

 

 

「あ、イノシシが水遊びした跡や」

 

「セイタカアワダチソウがこんなところにもある...」

 

「あそこにほうばの木があるね」

 

「それ桑の木」

 

 

 

話しながら山歩きは続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堰堤の上に立つ人々

一通り山歩きを終えて、最後は立派な堰堤の上で立ち話。

 

話は、すぐ近くにある神社のことに移りました。

藪田にある八神殿社という石碑

その神社とは!

 

 

藪田にある八神殿社という石碑(?)の横道をずんずん行くと

神社の写真

あるのです!

 

 

数十年前に、ここの一部改修工事をした時のこと。

神社の建物の中に、金色の蛇がいたそうです。

 

「ほんっとに真っ黄色の。工事があるんで、横にどけておいたら、次の日にまた、建物の中に戻ってる。それでもう一度外に出したら、また戻る。しょうがないんで諦めたら、やっぱり最後も建物の中に戻ってったね。」と、おじいさん。

 

この神社に棲んでる主...なのでしょうか。

 

噂でも民話でもない、おじいさんの実体験の話というところがリアルです。

 

 

 

きっと今日もこの神社の中に棲んでいる、私はそう思うことにしてます。笑

蛇と龍のあいだ

「藪田の山には、じゃ、がおる」

「じゃ....???」

「へびでねえんだ、龍みたいな、じゃ」

 

蛇(へび)とは言わずに、蛇(じゃ)と言うおじいさん。

そこからしてもう、何やらやばい匂いが漂います...

 

「ここらの山で柴刈りして、昼ごはん食べてたら、足と足の間に、こんなぶっといの(両手で輪っかを作る)がずーーー...っと。木の幹みたいな色して。最初なにかよくわからなかった。」

 

固唾を飲んで耳をすませる一同。

 

「へびっちゅーのは、くねくね動くでしょう。そうでないの、ずーーーーー...ってまっすぐ地面を這う。もう怖くて怖くて、動けんかった。少し近いところに仲間がいて、こっちへ来そうだったから、来たらあかんって言おうと思っても声がでんの。」

 

おとぎ話でも民話でもない、昔本当にあったおじいさんの話だ。

藪田の山には、アナコンダのような蛇がいるという。

 

他にも目撃者がいて、山に何かの工事(忘れた)が計画されており、関係者が下見に来た時に、そのじゃが、とぐろをまいて鎮座してたそうだ。

 

それを見た関係者は、二度と会いたくない、ここで工事はしない!と言って、計画は白紙になったそう。

 

「藪田の山を守ってるのかもしれん」とおじいさん。

 

 

 

 

池田の山には、様々な獣が生息していることは知っていたけれども、じゃがいるとは...

 

じゃに限らず、私たちの想像を超えた何かが、池田のどこかで生きているのかもしれない。

 

そんなことを思って、今日も今日とて山を眺めます。

 

 

 

 

 


まりこ

(本名 川上真理子)

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大都市で24年間をTO DO(したいこと)ファーストで

生きてきて、大学3年の時に自分の在り方の大切さ

に気づく。

 

ご縁がありたまたま出会った池田町での

素朴で等身大な人や自然に惹き付けられ

大学院卒業後、新卒無職で池田に移住。居候ちう。

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現在の活動はこちら👇

 

●池田町見習い人(めざせ何でも屋)

●一般社団法人の立ち上げ手伝い

 

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好きな食べ物)ちんころいも※池田町限定
現在、畑仕事や古民家改修により筋肉強化中。