こんにちは、池田暮らし1年生のまりこです。
初めての池田での冬が、おわりました。
「あっ池田暮らし無理かもしれん」と布団でうずくまった、初雪の日も数ヶ月前のこと。
どうにかこうにか、無事に冬を越えました。
初めて経験した豪雪地暮らし。
それはそれは、驚きに満ちていました。
冬を無事に越えた証として、
ここに「池田暮らし1年生の冬越し感想文」を残しておこうと思います。
*16個も続きます。お好きなところをのぞいていったくださいな。
*当たり前すぎてしょうもないこともあると思います。あたたかく見守ってください笑
「できない」の時間
まず、「冬にできないことがある」自体への驚き。
畑ができない
龍双ヶ滝に車で行けない
部子山、冠山に登れない
自転車で移動できない
かずら橋が渡れない
布団が干せない
などなどなど
冬にできないことがある、これが新鮮でした。
雪の降らない千葉で生活してた頃は、1年間に「この季節にこれができない」ということは、およそなかったです。
千葉の生活は、1年という時の流れが均等だったなと気づきます。
一方で、池田町の1年の時間の流れ方は、ウェーブを描くような、減り張りの時間の流れと生活。
だからこそ、春夏秋は忙しいし、冬を手前にした秋には
「あ〜今年〇〇やろうと思ってたのにできなかったな!」
と、1年間の振り返り的な感想が口から漏れました。1月1日が、11月末にあるような感覚。これが新鮮でした。
雪の影響力は、内まで及ぶ
冬が始まる前、私の雪のイメージは野外にありました。
道路が凍ったり
屋根にたくさん積もったり
窓ガラスが割れないように雪囲いをしたり
が、それだけではなかった。
家の内側まで影響があることを全く知らずにいたのです。
おったまげたのは、家が下がるということ。
初めて聞いたときは、理解するのに数分かかりました笑
わかりやすいのが、左の写真。
屋根雪の重さが柱にかかり、ぐっと下がった鴨居。
「え!?!?雪って家の中まで影響あるのーーー!?!?」と、叫ばずにはいられませんでした。
登山用靴下は、日常着
あ、あ、あ、あ、足が、、、、寒すぎて死ぬ、、、、
普通の靴下を二枚履きした私の足に感じる鋭い寒さ。
この寒さ、どう考えても靴下が足りない。
ある日ぼそっとそんなことを言ったら、こう返されました。
「え?二重にしてもあんま意味ないよ?俺登山靴下履くもん」
え???
えええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?
登山靴下って登山専門じゃないのかーーーー!!!
冬の日常着なのかーーーーーー!!!
びっくりしたものの、足の深刻な寒さを解決すべく翌日から登山靴下を履く。
な、な、なんということ・・・足が冷たくない・・・・
登山靴下、おそるべし。ちなみに、家の中はもこもこスリッパ履かないと辛いことも学びました。
足元はあったかくしないと、何もする気が起きませぬ。
電子機器の生命危機
みなさん、寝る時にスマホをどこに置いてますか?
私はスマホに目覚まし時計してもらってるので、枕の隣に置くんですね。
雪が降りめた日にも、当たり前のように枕の隣に置きました。
翌日起きると、携帯の電源が切れてました。
え??昨日の夜90%くらいで寝たのにな。壊れちゃったかな?
その日の夜、もう一度枕の横に置いて寝ました。
翌日。やはり電源がなくなってます。
ここで、わたくし、悟ります。
「寒すぎて、消耗しちゃうんだ」(白目)
悟りをひらいた夜に、スマホをお布団の中へ入れてあげて一緒に寝ました。
するとどうでしょう?電源%は、寝る前と同じでした。
他にも、体温計が冷えすぎて機能しないので温めてから使う、パソコンの充電の減りが爆速などなど。
電子機器への負荷がすごすぎて、電子機器を労わる気持ちも学びました。
湯たんぽを使いたくないと言っていられない世界線があった
どうでもいいのですが、私は湯たんぽ使いたくない派でした。
なぜなら、見た目がゴキブリに似ているから!
湯たんぽなしで冬に挑もうとしたものの・・・。
夜、布団に入る瞬間。
それはそれは冷たくて、幸福度が急降下。
「あ、湯たんぽ使いたくないとか言ってられないわこれ」
と、またもや悟りをひらきました。
こうして湯たんぽは、まんまと私の冬の相棒と化しました。
いちにちの始まりが早い
雪が降った初日のこと。
某珈琲店の店主にこう言われました。
「雪が降ったらな、雪かきせなあかん。いつもより早く起きなあかんで。ほんでな、除雪車が来る前に雪かきしといたら、持って行ってくれたりするからな。ちゃんとやるんやで。」
くらくらっ....卒倒しそうになりました。笑
春夏秋と...畑さえ毎日みることができなかったのに...!!毎日雪かきだと...!!!できるかんなもーーーーーん!!!という気持ち。
実際、いつもの30~60分前に起きて、雪かきをすることからいちにちが始まる生活でした。
が、しかし、意外にも毎日ではないという発見もありました。
というのも、人や車が通れるようにするために、降った分をどかすので、降った時にしかやらんのです。
毎日しんしんと雪が降り続けると思っていたのですが、どかっと降る週と、あまり降らない週がサンドイッチになって訪れるという気づきがありました。(いろんなパターンがあるのだろうけど)
じゃあ、いちにちの始まりが早くなくてもいいか?と言うと、そうではないのです。
例えば、車の窓。
特に朝は、凍って全く見えません。溶かすまでにも少し時間がかかります。
私はこれを忘れて出発時間を計算するやらかしが何度かありました笑
他にも、道路状況。
基本的に車のスピードを出せないので、やっぱり少し早め早めな行動になります。
とにかく冬は、余裕をもった早め早めがガチで肝心。ということを学びました。
噂を検証せよ!町外出れない?車は基本40キロ?
冬を迎える前のこと。
Aさんは言う。「冬に町外はよう行かんわ」
Bさんは言う。「ん〜週に2,3回は町外出るかな」
Cさんは言う。「マジで冬の車おっそいで。みんな40キロくらい」
Dさんは言う。「速度は他の季節と同じくらいだよ〜」
まりこ混乱である。
町外行けないの!?行けるの!?
ほんとに40キロなの!?めっちゃ早く出発しなきゃじゃない!?
実際に冬を経験して、噂を検証しました。
まず、町外は出れます!帰れます!ただし大雪を除く!
車は、確かにゆっくりめだけど、60キロでも走れます!(道路状況による)
「ただし大雪を除く」をなめるな
冬によく聞く言葉ランキング上位。「ただし大雪を除く」。
冬を迎える前の私は「大雪って何がそんなやばいの?」と疑問でした。(経験したことないからな!!)
疑問だけならまだいいものの、私は大雪をなめてしまっていました。
とある日の夜、鯖江から池田へ車で帰ってた時のこと。
雪がどんどん降り始めてしまったのです。
「マジで何も見えない・・・!」
フロントガラス全面に、雪が降りついて何も見えません。
車道がどこからどこまでなのかもわからないし、
道がカーブなのかまっすぐなのかもよくわからない。
頼れるのは、街灯の光だけで、大体こういう道だろう・・・で運転するしかない。
もはや途中で諦めて車中泊しようかと思うレベルでした。
街灯ってこんなに頼れる存在でもあったのか・・・という学びを得ましたね〜。
無事に家に帰ることができて「百聞は一見にしかずとはこのこと・・・」と思いながら、即刻布団に倒れ込みました。
(人生であれほど神経使った運転はない)
車の冬装備
初めて知ったこと、冬は車にいろいろ乗っけること。
これは各家庭でちがいがありそうですが(アンケート取ってみたい)
様々なリスクに備えて、車に常備させておくものがあります。
例えば、毛布。スタックした時に、かませるのだとか。
あと、車の雪かき用のスコップみたいなやつとか。
車中泊になった時のための非常食とか。
車に何かを常備しておくという発想がなかったので、教えてくれた人に感謝なのです。
ほんとうに曇り、ずっと曇り
冬前に疑ってたこと。
「ほんとにずっと曇りなの?」
はい、ほんとうにずっと曇りでした。笑
しかも冬が降り始めてからではなく、12月頃から。
なので、冬に布団が干せないと聞いていたのも本当でした。
ただ、いちにちの中で
束の間の晴れがある日もあります。
私はよく、そのタイミングで外に飛び出して両手を広げて日光浴してました。
その時の美しさといったらなくて、
ずっと曇りでも耐えられる。
アメとムチな池田の冬です。
「ド...ド....ドコドコドコドココドッサーーーーー!!!!!」
冬の家の中でよく聞く音。
そう、屋根雪が落ちる音。
初めて聞いたときは
「なに!?!?!?なに!?!?!?動物!?!?!?なに!?!?!?」って叫びました。笑
そしたら、一緒にいた人が極めて冷静に
「屋根雪が落ちたら、ああいう音がするの」と教えてくれました。
これがなかなか慣れなくて、毎回びくびくしてしまいます。笑
冬の家の中は、ちょっとびっくりする時がある。という発見。
獣の可視化
冬の面白コンテンツ、獣の足跡。
雪にくっきり残ります。
春夏秋にはなかなか気づきにくい獣の気配が、そこらじゅうにありました。
たまに実際見かけることはありますが、こんなにもたくさん近くにいたのだなぁとわかったのは、冬の間のことでした。
車社会が現前に
「車社会だ〜〜〜〜〜!」と感じる、こちらの景色。
歩道には、車道にあった雪がこんもりと寄せられています。
歩道の除雪もされるのですが、やはりまず優先的に車道の除雪。その数週間後に歩道が除雪される感じでした。
だからどうと言うのではないのですが、
こんなにもありありと車社会を見せつけられた経験が初めてだったので、書き残しておきたくなりました。
雪が深まる=トラブル発生
雪が深まる1月末〜2月。
深刻めなトラブルが起き始めました。
まず、水道がでない。
凍ってしまって、水道から水が出ないのです。
こうなると、水道管が破裂して修理になるケースも少なくないので要注意。
凍らないように、水をちょろちょろ出し続けました。
うわ〜〜!これやる日が来ると思わなかった〜!と思いながら、ちょろちょろ水を眺める。
あと、車の扉が開かない。
凍ってしまって、全く開かない!
こんなこともあるのか・・・と思いました。
生活に支障が出てくると、自然環境が厳しい土地に人が住むということ、について考えさせられます。
北海道しかり、アラスカしかり、ラダックしかり。
人はどうして、チャレンジのある土地に、自然環境の厳しい土地に古くから住み続けているのでしょうか。
池田町にいながら、世界の暮らしを考えさせる雪、おそろし。
わかりかけた何かを掴みつつ、もっと紐解いていきたい。そう思います。
息をのむほど美しくて
池田の冬の宝物。
それは、景色だと、私は思いました。
写真で見たことはあっても、直接見てみるとちがいました。
ツンと寒いのを感じながら、見る雪に包まれた池田町。冬にしか見れない姿。
厳しい冬が織りなす、あまりにも美しい景色。
ことばにならなくて、息をのんでしまう。
思い出すと、涙がでそうになってしまう。
景色が美しすぎて、あまり降らない日が続くと降って欲しいと願うほど。
大変な暮らしと、この景色が表裏一体であることが腑に落ちるほど。
2月末には、まだ行かないでって冬にしがみつきたくなるほど。
雪の世界が美しいと気づいた頃と同時に、この地で暮らす意味がわかり始めたのでした。
雪の中に春
まだ雪の残る2月18日。
池田町に住むお友達から「ふきのとうを見つけた」と聞きました。
とっても驚きました。
まだ雪が残っているのに!
生命は蠢動しているのか...!
雪の中に春があるというのならば、
私も触れたい・・・!!!そう思って家を出て。
山際にようやく見つけたふきのとう。
身震いするほど感動しました。
春の匂いがもう、池田にあったことを
この目と手と鼻とで直接感じて
それはそれは
身体の芯が震えるほど
ことばにならぬほど
感動してまって。
思えば、ほのかな温かさを感じる昼間。
春は思ったよりもずっと早くやってきました。
3月下旬、山を除いて、ほぼ雪解けしましたね。
今年は少なかったそうで。
確かに、私も1年目ですが、想像してたより降らなかったなと思ってます。
「寂しいわ〜」「早かったわ〜」
冬を名残惜しく思う声にも、たくさん出会いました。
やっぱり、なんやかんや、冬あっての池田町なのかなと感じておるところであります。
初めて知ること、経験することが多かった冬。
それでも、噂に聞いてた車が回るスリップは起こらなかったし
雪遊びもほぼせずに終わってしまいました。
きっとこれから経験するんだろうなぁ、と思いながら。
正直な気持ち、今年の冬も楽しみです。
雪にすっぽりと覆われたあの池田町に会える時まで、やれることをやっておこうかな。
まりこ
(本名 川上真理子)
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大都市で24年間をTO DO(したいこと)ファーストで
生きてきて、大学3年の時に自分の在り方の大切さ
に気づく。
ご縁がありたまたま出会った池田町での
素朴で等身大な人や自然に惹き付けられ
大学院卒業後、新卒無職で池田に移住。居候ちう。
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現在の活動はこちら👇
●池田町見習い人(めざせ何でも屋)
●一般社団法人の立ち上げ手伝い
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好きな食べ物)ちんころいも※池田町限定
現在、畑仕事や古民家改修により筋肉強化中。