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池田の伝統神事「田楽能舞」を見にいこう〜!

池田町には、鎌倉時代からずっと継がれてきた「田楽能舞」という行事(神事)があります。

 

例年2月15日に、水海集落の鵜甘神社(うかんじんじゃ)で行われます。

 

約800年続いてきた田楽能舞、一体どんな行事なのでしょう?

 

池田町公式HPより転載
池田町公式HPより転載

内と外の習合文化?水海の田楽能舞

田楽能舞の起源は、鎌倉時代までさかのぼります。

 

1250年ごろ、当時の政治を司っていた北条時頼は、諸国を行脚をする中で、池田にもやって来ました。

しかし、真冬の雪で立ち往生してしまい、水海集落で一冬越すことになります。

その間池田の村人は、時頼に田楽を披露しました。

そして、感動した時頼はお返しに能舞を教え、田楽能舞になったといわれています。

 

田楽能舞の起源をたどると、内と外の習合文化的な姿をしていることに気づかされます。

ややもすると、閉鎖的なイメージを抱かれやすい山の中の町ですが、これはとても面白いことだなと思います。

余談ですが、北條時頼の諸国行脚には諸説あり、決定的な証拠となるはずの時頼からもらった御朱印状が1714年に焼けてしまったそうです。

 

 

水海の田楽能舞は現在、神事として引き継がれています。

演目の中では豊作祈願の意味合いが濃く、他にも息災延命、天下泰平、安全祈願といった祈りが込められています。

 

1976年には、国の重要無形民俗文化財に指定されます。

「田楽と能の両方をあわせ持つ舞であり、古い型が現在も生きた形で継承されていて、芸能発達史上高い価値をもっている」と評価されました。

 

 

2月3日に役割が振られ、以後10日間は凄まじい練習を重ねます。

特に重要な舞を踊る3人は、13日から別火の生活をします。(他人の作ったものを食べずに身を清める生活)

 

池田町観光サイト「いい池田」より転載
池田町観光サイト「いい池田」より転載

約800年の歴史を持つ田楽能舞。

おやすみしたのは、第二次世界大戦中と、1946年に起きた水海での大火事、そしてコロナ禍中の3度だそうです。

これを聞いてびっくりしました。ずっとずっと続いてきたんだなぁ〜〜と。

しかし、毎年毎年、当たり前のように開催されると思ってはなりませぬ。

集落の人のものすごい努力で続いてきているのです。

なぜ水海集落で引き継がれているのか?

田楽能舞が行われる舞台は、水海集落の鵜甘神社。

池田町は33の集落から成っていますが、なぜ水海集落で舞が引き継がれているのでしょうか?

 

まず根本的には、時頼が水海で越冬したからということが大きいのですが、

実は、田楽能舞の行事は、他の集落でも行われていました。

 

稲荷集落の須波阿須疑神社(すわあずきじんじゃ)(1920年頃まで)

志津原集落の白山神社(1892年まで)

月ヶ瀬の薬師堂(1780年頃、天明飢饉まで)

小畑の白山神社(1780年頃、天明飢饉まで)*小畑は龍双ヶ滝方面にあった集落

 

つまり、昔は池田町内5つの集落で能舞が行われていたのです。

しかし、水海を除く4つの集落では人口減少や戦争により能舞をする人が絶えたため、能舞を続けることが難しくなりました。

 

水海集落は、池田町内で最も世帯数が多く、1番大きい集落です。

水海集落の方々の努力があってこそ、私たちは今年も田楽能舞をみることができます。

 

水海集落の朝の写真
水海集落、とある日の朝の景色

田楽能舞を見に行こう!時間や駐車場のお知らせ

今年(2024年)の田楽能舞は、2月15日(木)に行われます。

場所は、水海集落の鵜甘神社(Google mapに飛びます)。

 

田楽能舞が行われるのは、13時から17時頃まで。

田楽能舞が始まる前には、舞人3人が川へ入水する禊も行われます。

禊も見ることができます!鵜甘神社近くのしめ縄会館の前にある橋から見れるそうです。こちらは正午から。

 

 

 

当日は、報道関係者が多く集まり、かなりぎゅうぎゅうになります!

私は去年、開始15分前くらいに鵜甘神社に着いたのですが、既に満席状態で、なんとか人の間に入れてもらって見れました。

ので、ガッツリ座布団に座って見たい方は、早めに向かうことをおすすめします。

 

 

鵜甘神社の中の混雑具合
去年(2023)の鵜甘神社、舞の開始直後の様子。ぎゅうぎゅうでしょ...?

 

最後に、駐車場について。

車は、鵜甘神社付近に停めることができます

当日は、交通整備の方がいてくださるので、とにかく鵜甘神社の近くまで行ったらどうにかなるでしょう!

 

 

駐車場の様子
鵜甘神社付近に停まる車たち(2023年の様子)

 

寒い中、動かずに鑑賞することになります。

ホッカイロや、防寒具などは、よ〜〜〜く準備して行きましょう。

あと、座って見るなら、座布団持参必須!!!!!おしりが爆発しますので。

 

 

年に一度の田楽能舞、お見逃しなく〜!

 

 

 

 

 〜おまけ〜

15日の田楽能舞に限らず、2月は能関連の催しがいくつかあります!

 例年2月6日には須波阿須疑神社にて「能面祭り」

2月17日には志津原集落の白山神社にて「お面さん祭り」

 

*田楽能舞についての詳細は、フリーペーパーいけだごのみ vol.20をぜひご覧下さい!

*20分にぎゅっとまとまった田楽能舞ダイジェストもどうぞ〜

 

参考文献『池田町史』


まりこ

(本名 川上真理子)

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大都市で24年間をTO DO(したいこと)ファーストで

生きてきて、大学3年の時に自分の在り方の大切さ

に気づく。

 

ご縁がありたまたま出会った池田町での

素朴で等身大な人や自然に惹き付けられ

大学院卒業後、新卒無職で池田に移住。

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現在の活動はこちら👇

 

●池田町見習い人(めざせ何でも屋)

●福井を拠点にするライター

 

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好きな食べ物)ちんころいも※池田町限定
現在、畑仕事や古民家改修により筋肉強化中。