11月初旬、秋晴れが美しい日。
池田町のばあに、藁仕事を習いました。
習ったのは、鷹の爪編み(なんば編み、唐辛子編み)。
古くから赤色には魔物を撃退する力があると信じられていて、魔除けでもあるんだとか。
鷹の爪編みを習いながら、おしゃべりしたり。黙々と手を動かしたり。
その時、ばあから聞いたいくつかのことを、綴っておきたいと思います。
「ばんども、こうして作った〜」 ばあの藁記憶
ばあの手にかかると、魔法のように藁が美しく編まれていった。
「うまくできない〜」という私たちに、何度も「習うより慣れろじゃ」と言った。
何度も何度もやって、ようやっと、ばあの手になれるんだろうなぁ。
ふと、ばあがぽつりと「ばんどもこうして作った〜」と言った。
バンド?????音楽バンド????いやそんなわけない。
「ばんど」がわからずに戸惑ったが、どうやら蓑のことらしい。
小さい頃から、ばあのお父さんがばんどを作っていたのを、見ていたという。
「こうしてこうやってきゅっとしてはこうして...そうすると藁の硬い部分だけ残るんやわ。そうやってたのを覚えてる」
身振り手振りで、ばあは自分の記憶の中にあるお父さんの姿を再現してくれた。
数十年の時間を超えて、ばんどを作る姿を、いま目の前で見れたこと。とても尊いことだ。
鷹の爪編みって意外と最近?
私たちは、鷹の爪編みのことが気になって
昔からこうやって作っていたのか?誰かから教わったのか?などいろいろ質問をした。
すると、鷹の爪編みを始めたのは、こっぽいや(福井市にある池田町のアンテナショップ)ができてからだという。
ここ20年くらいの話なので、意外にも最近。
では、昔から魔除けとされていたというのは・・・?と疑問が増える。
さらにいろいろ聞くと、編み方自体は最近考案されたものではないらしいことがわかった。
「大根をこうやって縄で干してたで」
鷹の爪編みの編み方のルーツは、大根干しにあったのだ。
これはいいことを聞いた。今年はそうやって大根干してみようかな〜。
太陽の下で「最悪の日じゃ」
ばあに鷹の爪編みを教わって日は、ぽかぽかと穏やかな晴れの日だった。
ばあちゃんはしきりに「最悪の日じゃ」と言った。
なんで?と聞くと
晴れだと藁が乾燥してポキポキになってしまうので、藁仕事をする日としては向いていないということだった。
雨の日であれば、藁が湿気を吸って作業がしやすいのは想像に難くない。
だから、藁仕事をするには「最悪の日」。
雨の日には雨の日の仕事が
晴れの日には晴れの日の仕事が
あるんだねぇ。
まりこ
(本名 川上真理子)
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大都市で24年間をTO DO(したいこと)ファーストで
生きてきて、大学3年の時に自分の在り方の大切さ
に気づく。
ご縁がありたまたま出会った池田町での
素朴で等身大な人や自然に惹き付けられ
大学院卒業後、新卒無職で池田に移住。
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●池田町見習い人(めざせ何でも屋)
●ライター
●池田町のシェアハウス「川のいえ」
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好きな食べ物)ちんころいも※池田町限定
現在、畑仕事や古民家改修により筋肉強化中。